伝統的建造物群保存地区制度

海野宿視察風景
伝建地区制度
幾多の風雪に耐えてきた茅葺屋根の集落、土塀や生垣に囲まれ静かな佇まいを残した武家屋敷群、重厚な土蔵造など昔の繁栄を偲ばせる商家の町並みなどは、長い年月をかけて何代にも亘り受け継がれてきた貴重な日本の文化遺産です。 これらは、我が国の歴史や文化を理解するために欠くことのできないものであり、私たちはこれらを後世に伝える大切な責務を持っています。
「伝統的建造物群保存地区制度」はいわゆる「伝建」や「重伝建」と呼ばれいている制度です。我が国における最初の町並み保存事業は長野県木曽町妻籠宿で1967年に始まり、すでに30年余の歴史を刻んでいます。
地元住民と研究者・行政が一体となった保存運動は、全国町並み保存連盟の活動などにより、その後各地に広がり1975年には文化財保護法の改正により、周囲の環境と一体をなして歴史的な風致を形成している伝統的な建造物群を、新しい類型の文化財として捉えることとなり、これと一体をなして歴史的価値を形成する環境を含めて保存する「伝統的建造物群保存地区」が創設されました。
この伝統的建造物群保存地区は、そこに暮らす住民の生活と共にあり、地区の住民と市町村が協力して主体的に街並み保存に取り組める仕組みになっています、そして、国は特にその価値が高いものを、「重要伝統的建造物群保存地区」として選定し、様々な側面から支援を行うという点に特徴があります。
制度創設から20年余を経て、伝統的建造物群保存地区は62地区、重要伝統的建造物群保存地区は61地区に達していて(平成14年5月現在)、伝統的建造物を中心に地区全体の歴史的環境が保存され、また、整備され、歴史的個性を生かす地域活性化の中核となっています。
成熟社会を迎える日本において、国民の歴史や伝統を求める文化的志向はますます強くなり、多くの人々がこれらの地区を訪れています。また、近年では、このような伝統的建造物群保存地区の集落・町並みの保存は、地区の個性を生かし、継承したまちづくりとして、国の内外から注目を集めるようになり、ますますその重要性が高まっています。



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